屋外との寒暖差がある時期は、窓や玄関ドアなどに結露が発生します。
また、花粉や黄砂対策が必要な季節など、洗濯物を室内干しするようになると、その湿気の影響で結露が起こりやすくなります。
梅雨が来ればまた室内干し・・と考えると、結露対策は通年で必要。
今回は結露がおきる原因と、食器用中性洗剤で作れる「結露防止スプレー」の作り方や効果的な結露の対策方法について、詳しくご紹介します。
目次
結露は冬だけじゃない!発生する3つの原因とは?
結露の原因は様々な要因が絡みあっています。
その中でも特に私が感じる原因を3つ挙げてみました。
- 冬の気温差によるもの
- 梅雨時の湿度によるもの
- 室内環境によるもの
【1】冬の気温差によるもの
空気が持てる水蒸気の量は温度が高いと多く、低い(冷やされる)と少なくなります。
冬は暖房によって暖められた室内の空気が外気近くの窓ガラスに触れることで冷え、持ちきれなくなった水蒸気が窓ガラスに結露として付着します。
【2】梅雨時の湿度によるもの
梅雨の時期など季節や天候によって湿度の高い空気が室内に入り、家の中の低温部分に触れることで結露が発生します。
この時期の結露は窓だけではなく、家の基礎や家具と壁の間など、窓以外の見えない場所にも発生するため、ある意味冬の結露よりも注意が必要です。
【3】室内環境によるもの
加湿器や、洗濯物の室内干し、調理中の湯気などで室内の湿度が高くなり増えた水蒸気が室内の低温部分に触れることで結露が発生します。
特に、冬~春にかけては気温差+花粉対策の室内干しにより結露が発生しやすくなります。
食器用中性洗剤で「結露防止スプレー」を作ろう
結露はいろんな場所で発生しますが、一番気になるのはやはり窓につく結露です。
窓の周りはホコリなどの汚れが溜まりやすい場所なので、結露(水分)とホコリの両方が揃うと、カビが発生しやすくなります。
窓の結露には様々な対策グッズがありますが、手軽に試せる方法のひとつに食器用中性洗剤で作る結露防止スプレーがあります。
食器用中性洗剤に含まれる界面活性剤には、水蒸気が丸い水滴になって窓に張り付く力(表面張力)を弱める力があります。
そのため、水滴にならず薄い水の膜となり、蒸発しやすくなるため結露になりにくい状態を作ることができるのです。
結露防止スプレーの作り方
食器用洗剤はどの家庭にもあるも。
お手軽に作ることができる「結露防止スプレー」を作る方法を見ていきましょう。
- 食器用中性洗剤 10ml
- 水 100ml
- スプレーボトル
食器用洗剤と水を混ぜてスプレーボトルに入れます。
アルミサッシなどアルカリに弱い素材が使われていることもあるので、必ず中性洗剤と書かれているものを選んでください。
基本のレシピは、100mlの水に対し10mlの洗剤ですが、濃度は結露の状況によって濃くしたり重ね塗りするなどして調節してみてください。
水道水を使用する場合は、1~2週間で使いきれる量にします。
作り方を動画で確認する
結露防止スプレーを使った窓の結露対策方法
お手製の結露防止スプレーができたら、さっそく窓にスプレーしてみましょう。
こちらでは、正しい使い方をご紹介します。
水拭き→乾拭きで乾燥状態にしておきます。

スプレーボトルをよく振って混ぜ合わせ、窓にスプレーし乾いた柔らかい布で塗り広げます。
掃除のように「拭く」のではなく「塗る」イメージで、力をいれず軽く塗っていきます。
濃い目の液体なので泡立ったり白残りしますが、乾燥するとなくなります。
ガラスだけではなくアルミサッシにも塗りましょう。
ガラスよりアルミの方が冷えやすいため、サッシの方が先に結露します。
結露防止スプレーの効果は?
本当に食器用洗剤を薄めたもので結露対策ができるのか、疑問に思う方もいるでしょう。
実際に結露防止スプレーをしてみて、効果を検証してみました。
窓の右側だけにスプレーを塗布しています。
暖房を運転しはじめて数時間後、スプレーした右側は結露がついていません。
アルミサッシはスプレーしなかった方は水滴だらけです。
スプレーした方の表面はやや濡れていますが、カーテンをまとめて換気すれば乾く程度です。
窓以外で結露する場所、玄関ドアにも塗布してみましたが、こちらも有効でした。
水蒸気の量や洗剤濃度に要注意!気をつけたいポイント
水蒸気の量が多すぎると、洗剤が下に流れ落ちてしまって効果が持続しません。
上の画像はスプレーしてから3日後ですが、水滴はないものの水の膜の量が増えてきています。小まめな塗り直しが必要です。
水蒸気の量が多すぎて窓が湿ると泡立ちます。とくにすりガラスなど模様のあるガラスは間に洗剤成分が溜まるので泡立ちやすくなります。
洗剤濃度が濃いほど窓が曇り、ベタつくので窓が汚れて見えます。
また、汚れも付着しやすくなるので、気をつけましょう。
窓の結露対策で気を付けたい3つのポイント
その他にも、少しの工夫で結露を防止する方法があります。
基本的な考え方は、「空気を冷やさない」と「空気中の水蒸気を少なくする」の2つ。
この考え方に基づいて、簡単にできる結露対策の具体策を3つご紹介します。
【1】カーテンを開けておく
カーテンを閉めると部屋は暖かくなりますが、窓とカーテンの間に冷えた空気が停滞して結露の量が増えてしまいます。
私はカーテンは締め切らずに少し開けておき、一日の最後には全て開けて窓と室内の気温差をなくした状態にして就寝しています。
室内が丸見えになってしまうなど、防犯上の理由でカーテンを開けっぱなしにするのが心配な方もいらっしゃるでしょう。
そんなときは、ドレープカーテンの中央を少し開けておいて、レースのカーテンは使わずサイドに寄せるなど、使い方を少し工夫するだけでも大分違います。
また、網戸のあるなしでも結露の発生が違います。
家具がある側など結露を防ぎたい方に網戸を寄せておくのも効果的です。
【2】定期的に換気する
換気は、湿度の高い空気を外に出し、空気を循環させることで、冷えた空気が停滞することを防ぎます。
湯気が出る風呂上りや食事の支度後など、室内が暖まるタイミングを考えて換気すると効果的です。
真冬など長時間の換気が難しい時期は、サーキューレーターを利用したり、トイレ・浴室・キッチンの換気扇を回すだけでも空気の出口が確保できます。
【3】ドライ運転、除湿器を上手に使う
花粉の季節や梅雨時の室内干しなど室内の湿度を下げるために、除湿器やエアコンのドライ機能を積極的に使いましょう。
また、入浴後は浴室ドアをしっかり閉めて換気するなど、換気扇の使い方ひとつでも部屋の湿度を抑えることができます。
まとめ
完全に結露を防ぐためには、高断熱・高気密住宅のもと、計画換気、全室暖房が理想だそうです。
切ないことに理想的な住環境や設備のない家が多いのが現実ではないでしょうか。
仕方ない・・とあきらめる前に「原因」と「対策テクニック」を少しでも知っておくことで、結露対策の心構えができます。
今回ご紹介した方法以外にも、自分の家の構造ならではの新しい対策や抜け道が見つかるかもしれません。
暮らしやすい家づくりのために、色々トライしてみてください。



参考資料
「SuiSuiわかる結露の本」(南雄三/株式会社建築技術)