食器を洗った後の汚水や油は排水口に流れていきます。一度の量は少なくても毎日続くと汚れはどんどん溜まり、詰まりや臭い、カビなどの原因になってしまいます。わかっていても、暗くて狭いその形状からもなかなかお手入れする気持ちにならないのも本音です。
そんなキッチン排水口のお手入れがしたくなるような楽しいお手入れ方法や、汚れの原因、対処方法までをまとめてみました。
汚れの原因と効果的なお掃除は?
一般的な排水口の構造と汚れの原因
排水口の入口をふさぐカップ(防臭カップまたは防臭ワン)を外すと、排水管が見えます。
排水管の周りの溝(排水トラップ)には水が常に溜まっていて、この水によって排水管の臭いが上がってくるのを防いでいます(封水)。
内部の構造には凹凸が多く、汚れがたまりやすい形状になっていることがわかります。
排水口内にこびりつくぬるっとした汚れは、食品の油や石けんカス、それを餌にして増殖した細菌や雑菌の塊です。
放置しておくと悪臭や小バエ発生の原因になります。
汚れの性質に合った洗剤選び
ぬめりや油汚れには重曹や(過炭酸ナトリウム)酸素系漂白剤などのアルカリ性のものが有効です。
とくに酸素系漂白剤は発泡するため、排水口内の手の届きにくい汚れも泡の力で分解することができます。
また、二つとも使用後の生分解の必要がないため環境にあまり負荷をかけません。
排水口掃除のプレ掃除方法
重曹でドロドロの汚れをサッパリ!
まず、粉のままの重曹をつけながらスポンジと歯ブラシで汚れを擦り落します。
重曹が油汚れやヘドロ状の汚れを吸収するのでサッパリと洗うことができます。
防臭カップやゴミ受けなども同じように洗っておきます。
表面に付着した大きなヘドロ状の汚れを取り除くことで、その下のこびりついた汚れを落としやすくなります。
このプレ掃除で汚れ落ちが違ってきます。
除菌と防臭効果もUP!酸素系漂白剤でとことん洗浄
重曹で大まかな汚れ落としをした後は、酸素系漂白剤を使用して徹底洗浄します。
酸素系漂白剤の主成分、「過炭酸ナトリウム」はPH10.5のアルカリ性なので油汚れにも効果があり、酸化力もあるため除菌消臭もすることができます。
また、お湯を加えると発泡するため排水口内の届きにくい場所の洗浄もすることができます。
排水口全体に酸素系漂白剤の粉末をまんべんなく振り入れます。その後、上からゆっくりとお湯(50度程度)を入れると発泡します。
きめ細やかな泡がゆっくりと盛り上がり、排水管に流れて貼りついているのがわかります。
途中で発泡が止まっても棒などで撹拌すると再発泡します。何度か繰り返して泡を長持ちさせるのがコツです。
30分程度放置してから、ブラシとスポンジで擦り洗いをしてお湯で洗い流します。
黒くこびり付いていた汚れも落ち、除菌消臭もできて清潔な排水口がよみがえりました。
パーツ類は酸素系漂白剤の溶液に漬け置き
- 30度~50度のお湯(2リットル)
- 酸素系漂白剤(大さじ1)
防臭カップやゴミ受け等のパーツも上記の分量で作った酸素系漂白剤の溶液に30分ほど漬け置きしてから洗います。溶液の温度が下がらないよう蓋をすると効果が上がります。
プレ掃除で落ちなかったしつこい汚れも漬け置きすることで綺麗に落ちました。
おすすめの掃除道具と注意点
排水口の入口の縁部分は直角になっているので、直角に毛の生えた排水口用のブラシや先曲がり形状のブラシを使うと複雑な場所もお掃除しやすく便利です。
また、こすり洗いをする際にブラシに力を入れてこすりすぎると、排水管内部のコーティング加工が傷ついたり、破損の原因になることもあります。
強い力でこすりすぎないようにしましょう。
汚れをためない日々のお手入れ
この画像は築30年の私の実家の排水口です。日々の小さな掃除力の積み重ねの結果でもある尊敬する排水口です。
汚さない秘訣は、食器洗いの前のひと工夫
私の母は油汚れはウエスで拭き取り、ドレッシング等の油分を含んだ水分は新聞紙に吸わせています。
そうすることで上記の画像のようにほとんど食器に油汚れは残りません。
この状態から食器洗いをするため排水はほぼ汚れず、古い家でも排水口や排水管は湖のように清潔で綺麗なままです。
ウエスによる拭き取りをする習慣をつけることで、汚れの蓄積は少なくなると思います。
排水口は海の入り口
排水口のお手入れの重要性は2つあると思います。一つは食品を扱う場所なので「なるべく臭いや雑菌の発生を抑えた清潔な空間にする」ということ。もう一つは「排水口は海の入口」であるという環境保護の考え方からです。
そのためにも定期的な洗浄除菌と、なるべく汚れを流さない日々の小さい努力を頑張っていきたいなと私も思っています。