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富士山のかたちの水ようかん

夏の和菓子でひんやり涼しく。水ようかんの作り方

キッチン

繊細で難しそうに見える「水ようかん」。
実はゼリーを作る感覚で初心者でも簡単に作れます。

最近、和のおやつ作りにチャレンジしている調理師racssが、実際に作りながら「水ようかん」の作り方を解説します。初めて作るときに失敗しがちなポイントもお伝えするので、しっかりとチェックしてくださいね。

北海道の庭で、野菜と共にハーブ・野草・山菜を育てる菜園家。また、それらの食材の楽しみ方・調理方法をプロとして、Yahoo!などの様々なメディアで発信している。Instagram・ブログ『料理+菜園づくり 食育インストラクターracssの日々の暮らし』で、その様子を公開中。

初心者もラクラク!水ようかんの作り方

市販のあんを使えば、水ようかんはとても簡単に作れます!
ゼラチンを溶かしてゼリーを作ったことがあれば、同じような手順で作れば良いので初心者でも安心です。
四角い型で作って切り分けてもいいし、かわいい型で作っても楽しめます。

水ようかんの作り方

水ようかんの材料

  • こしあん 200g
  • 水 200cc
  • 砂糖 大さじ2
  • 粉寒天 2g
  • 塩(お好みで)ひとつまみ

作り方

水ようかんの作り方

1.粉寒天と水を鍋に入れて中火にかける。

2.グツグツと沸いてきたら弱火にし、煮立てながらよくかき混ぜて、粉寒天を完全に溶かす。

水ようかんの作り方

3.砂糖、あん、塩を加え、泡立て器でかき混ぜて溶かす。

4.火から下ろし、ひと回り大きい鍋かボウルに水を入れたところへ鍋底を浸けて、ヘラでかき混ぜながら粗熱をとる。

5.型に入れて冷やし固める。型から出して、できあがり。

水ようかんを作るときのポイント

冷まさずにそのまま型に流すと、あんと水分が分離して2層になってしまうことがあります。いったん冷ます手間をかけることで、ムラなく固まります。
ただし、このとき冷やしすぎると鍋肌からどんどん固まってきてしまい、ようかんの生地がボソボソになってしまいます。

この加減が難しいですが、ヘラでかき混ぜていて(見た目は変わらないものの)「ヘラが重たくなってきた」と感じたら、そこで冷やすのをやめてすぐに型に流しましょう。もし冷えすぎて鍋の中で固まってきてしまったときは、大さじ1の水を足してもう一度火にかけて溶かせば大丈夫

手づくりの水ようかんは、長く置くと水分が出てきて崩れやすくなるので早めに食べましょう。

水ようかん作りに使う型のおすすめ

<p>貝印 和菓子のシリコン型</p>

貝印 和菓子のシリコン型

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今回は、和風モチーフのシリコン型を使いました。
つるんときれいに外すことができてかわいい形になり、切り分けなくてもいいのが魅力です。

水ようかんは「流し函(ながしかん)」と呼ぶ和菓子用の四角い型で作ると切り分けやすいですが、家庭では四角い保存容器で代用できます。
グラスなどの小さな器に作って、そのままスプーンで食べるようにしてもいいですね。

手作り水ようかんのアレンジアイデア

水ようかんはアレンジして盛り付けると、楽しいおもてなしの一品になります。季節感を出しつつ、家庭でも簡単にできる演出です。

水ようかんにフルーツをあしらって

フルーツ水ようかん

水ようかんのあっさりしたのどごしと、フルーツは意外に良く合います。缶詰の黄桃と白桃をスライスして盛り付けてみました。
梅の花は冬や早春のモチーフですが、カラフルなフルーツと合わせて夏の花風に見せるアレンジです。

水ようかんの富士山に雪を

富士山の型にグラニュー糖で雪を降らせた水ようかん

富士山の型で作った水ようかんには、てっぺんにグラニュー糖で雪を降らせて、涼しい風を感じるような演出を。

水ようかんに抹茶ソースでほろ苦さを

抹茶ソースの渦巻きようかん

水の波紋を思わせる渦巻きは、夏のモチーフです。抹茶のソースの上に置いて、水草のイメージをプラス。抹茶の苦味が、ほどよく甘さを中和する大人の味になります。

抹茶ソースの作り方

抹茶小さじ2と砂糖小さじ2を混ぜ、20ccの熱湯で溶きます。
茶こしでこして、ダマを取り除けばできあがり。
余ったら牛乳に溶かして抹茶ミルクが作れますよ。

水ようかんは年中楽しんで

水ようかんは、アレンジがしやすいお菓子です。コーヒー風味にしたりフルーツあんで作ったりもできますし、生クリームとも相性良し。

また、小豆と寒天というヘルシーな原料であるため、ダイエット中の甘味としても注目されることがありますね。こしあんがあまり得意ではない人でも、あっさりした水ようかんはのど越しが良いのでおいしく食べられるはず。

水ようかんは江戸時代に広まったお菓子で、おせち料理に添えるものでした。糖度が高く日持ちする練りようかんと違って、水分の多い水ようかんは傷みやすいこともあり、当時は冬に作るものだったようです。後代になって保冷技術が発達してからは、暑い夏の涼味として親しまれてきました。しかし、福井県など一部の地域では今でも冬のお菓子とされています。

夏だけでなく冬も楽しめる水ようかん。作り方も難しくないので、ぜひ身近なおやつとして水ようかん作りをマスターしてみては?

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