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失敗しない「シュトーレン」の作り方

クリスマスの伝統菓子をおうちで。失敗しない「シュトーレン」の作り方

キッチン

「シュトーレン」はドライフルーツやナッツがぎっしり入っていて、バターや粉砂糖をたっぷりまとわせたリッチな味わいが魅力。クリスマスにぴったりのお菓子です。

シュトーレンはお店で買うものというイメージがあるかもしれませんが、コツを押さえれば家庭でもおいしく手作りできるんです。

この記事では、調理師が家庭でも失敗しないシュトーレンの作り方を解説。初めてでも失敗しないためのコツや長持ちさせる保存方法もあわせてご紹介します。
手作りのシュトーレンで、クリスマスを “おいしく” 待ち望んでみませんか?

調理師・ライター。つくること・食べることが大好きで調理師免許を取得。医療福祉施設での勤務経験あり。おいしいご飯のレシピや暮らしの便利なもの、日ごろの衛生管理について、わかりやすい記事をお届けします。オムライスとモンブランが大好きです!

シュトーレンってどんなお菓子?

「シュトーレン(ドイツ語:Stollen)」は、元々ドイツの伝統的なパン菓子。正しい発音は「シュトレン」で、ドイツ語では「坑道」という意味があります。焼き上がりがトンネルのような形をしていることから、この名前がつけられたそうです。

また、たっぷりと粉砂糖がかかっている様子から、おくるみに包まれた幼いイエス・キリストをイメージしているとも言われています。

シュトーレンを食べるのはクリスマスより前、キリストの降誕を待ち望む「アドベント」という期間。イーストを使い、洋酒漬けのドライフルーツとナッツをたっぷりと入れて焼き上げたシュトーレンは、日が経つごとに熟成されて味が変化していくのが特徴です。

クリスマスを待ち望みながら味の変化を楽しみつつ、少しずつスライスして食べるのが伝統となっています。

初心者向け! 簡単シュトーレンの基本の作り方

この記事で紹介するシュトーレンは、生地の配合もフィリングと呼ばれる具材もオーソドックスなもの。昔から本場ドイツで食べられていたような、甘くてスパイスの効いた味わいに仕上がるレシピです。
大きさは「17×8センチ」2本分。片手にのるくらいの、プレゼントにもぴったりな大きさに焼き上げます。
生地を分割せずに大きく焼いて、家族みんなで楽しむのもおすすめ。その際は、焼き時間を10~15分ほど長くしましょう。

シュトーレンの材料

まずは、シュトーレンの材料を「中種用」「本ごね用」「仕上げ用」に分けて紹介します。

【材料1】中種用

  • ミックス粉(※1)……50g
  • ドライイースト……3g
  • 牛乳……40g

【材料2】本ごね用

  • バター……60g
  • 砂糖……30g
  • 塩……2g
  • 卵黄……20g(1個分)
  • アーモンドプードル……20g
  • ミックス粉(※1)……100g
  • 洋酒漬けフルーツミックス(※2)……200g
  • お好みのナッツ(アーモンドやくるみなど)……20g
  • シナモン、ナツメグなどのスパイス(※3)……合計3g

<ミックス粉について(※1)>
シュトーレン作りでは、本来は準強力粉を使用しますが、スーパーでは手に入りにくく、ほかのお菓子や料理に使う機会も多くありません。
そこで、この記事で紹介するレシピでは、準強力粉の代用として強力粉と薄力粉を7:3でブレンドした「ミックス粉」を使用します。
ミックス粉の作り方は、下準備のところで説明します。

洋酒漬けドライフルーツについて(※2)>

あらかじめ洋酒に漬け、ダイス状にカットされた商品を使用しています。
シュトーレンに入れるドライフルーツは、主にオレンジピール、レモンピール、レーズン、りんごなど。
ただし、あまりこだわりすぎずに、好みのドライフルーツを加えていただいても大丈夫です。アプリコットやいちじくもおすすめです。
洋酒漬けのものを購入できない場合は、あらかじめドライフルーツを洋酒に漬けて、1週間ほど熟成させておきましょう。

スパイスについて(※2)>

スパイスはお好みで1〜6種類(シナモン、カルダモン、ナツメグ、スターアニス、ジンジャー、クローブ)を組み合わせて使用してください。シナモンを多めに、そのほかのスパイスは少量ずつ配合するのがおすすめです。

【材料3】仕上げ用

  • 無塩バター……60g
  • グラニュー糖……50g
  • 粉糖(粉砂糖)……50g

シュトーレンの下準備

・本ごねに使うバターと卵は室温に戻しておく。
・生のナッツを使う場合は、オーブン160度で10分間ローストして、フルーツと同じくらいの大きさに砕いておく。
・使用するスパイスを混ぜ合わせ、ミックス粉と一緒にしておく。
・仕上げ用のバターは溶かしておく。

【ミックス粉の作り方】
1.強力粉105gと薄力粉45gをビニール袋に入れよく振って混ぜる。
2.混ぜた粉を50gと100gに計量し直したものを中種用と本ごね用のミックス粉として使用。

シュトーレンの作り方

手順1.中種を作る

【材料1】中種用の材料を使います。

シュトーレンの中種の材料を混ぜる

人肌より少しぬるいくらいに温めた牛乳にイーストを溶かし、粉が入ったボウルに加え、粉気がなくなるまでこねます。表面がなめらかな状態でなくてもOKです。

シュトーレンの中種をつくる

ボウルの中できれいに丸めたら、2倍くらいの大きさになるまで発酵させます。目安は28度で50分です。電子レンジの発酵機能などがない場合は、日が当たる温かい場所においておきましょう。

中種の発酵時間が残り10〜15分になったら、本ごねの用意(手順2の作業)を始めます。

手順2.本ごねの用意

ここからは、【材料2】本ごね用の材料を使います。

バターと砂糖を加える

常温に戻したバターをゴムベラで軽く練り、砂糖と塩を加えます。

バターと砂糖を混ぜ合わせる

泡立て器に持ち替え、白っぽくなるまで混ぜ合わせます。

卵黄を加えて混ぜる

卵黄を加え、しっかりなじむまでよく混ぜます。

シュトーレンの粉類を加える

アーモンドプードルを加えて切るように混ぜます。

シュトーレンの粉類を混ぜる

ミックス粉とスパイスも加えて粉気がなくなるまでゴムベラで混ぜます。

シュトーレンの中種を加える

手順1で発酵させた中種をちぎりながら加えます。

手順3.本ごねをする

シュトーレンの中種を加えてこねる

中種がしっかりと混ざり、生地がひとまとまりになるまでこねます。
あれば、こね台やマットの上でこねましょう。

フルーツとナッツを混ぜる

ボウルかこね台の上で生地を広げ、フルーツとナッツをのせます。
周りの生地をたたむようにかぶせ→生地を広げ→さらにたたむ、という動作を繰り返し、生地全体にまんべんなく混ぜ込みます。

手順4.生地を発酵させる

シュトーレンの生地を発酵させる

生地にまんべんなくフルーツとナッツが混ざったら、一度きれいに丸めてボウルに入れ、30度で30分発酵させます。(日当たりの良い場所においてもOK)
発酵後は少しふくらむ程度です。

シュトーレンの生地を休ませる

発酵が終わったら打ち粉をふった台の上に生地を取り出し、包丁やスケッパーで2等分します。
台の上で丸くまとめたら、オーブンシートをのせて布巾をかけ、生地を10分休ませます。

手順5.生地を成形する

シュトーレンの生地を伸ばす

休ませた生地の裏面を上にして、めん棒を使い横12cm×縦18cmくらいの楕円形に伸ばします。

シュトーレンの生地を成形

楕円形の生地を手前から3cm、奥から4cm折り返します。

シュトレーンの生地を成形する

そこからさらに二つ折りにします。このとき完全な二つ折りではなく、上にくる生地が少しずれるように折りたたんでください。

手順5.最終発酵させる

シュトーレンの最終発酵

折りたたんだ生地がくっつくように軽く押さえたら、天板にのせて30分発酵させます。
同時にオーブンを180度に予熱してください。(オーブンを予熱するので、発酵は室内の温かい場所で)

手順6.オーブンで焼く
発酵させた生地を、天板のまま予熱したオーブンに入れ、180度で30〜40分焼きます。

手順7.仕上げをする
ここからは、【材料3】仕上げ用の材料をつかいます。

シュトーレンに溶かしバターを塗る


焼き上がったらすぐに、溶かしバターを全面にまんべんなく塗ります。

シュトーレンのできあがり

グラニュー糖も全面にたっぷりとまぶします。
あら熱が取れたらラップに包み、完全に冷まします。

完全に冷めたら、粉糖を全面にたっぷりとふりかけます。
ラップを広げて粉糖をふるい、その上にシュトーレンをのせ、上から粉糖をふりかけるとまんべんなく付きます。
そのままラップに包み、冷暗所または冷蔵庫の野菜室で2〜3日寝かせて完成です。

シュトーレン作りで失敗しないためのコツ

ここでは、シュトーレンを作るのが初めてでも失敗せずにうまくできるコツをご紹介します。

生地はどのくらいこねる?

今回ご紹介したレシピは「中種法」というパンの作り方のひとつ。本ごねをする前に発酵種である中種を作ることで、小麦粉に水分がしっかりと行き渡り、しっとりした食感や日持ちする効果があります。
中種は、生地の粉っぽさがなくなり、ひとまとまりになればOK。本格的なパン生地のようにしっかりとこねる必要はありません

バターが白っぽくなるまでって?

お菓子作りでよく目にする「バターが白っぽくなるまで混ぜる」工程、いまいちイメージできないという人もいるのではないでしょうか?
バターが白っぽくなるまでというのは、つまり「空気を含んだ状態になるまで」ということ。
空気を含んだ状態になると、色だけではなく質感もふんわりとして“かさ”が少し増えるので、その点も目安にしてみてください。

かたくならないフィリングの混ぜ方は?

シュトーレンはフィリングをたっぷり入れるので、生地に混ぜ込むとき少し手間取ってしまうかと思います。
フィリングを混ぜるときは、丸めた生地にそのままフィリングをのせるのではなく、「生地を伸ばしてフィリングをのせ、折りたたむ」という作業を繰り返し、焦らず少しずつなじませていくのがコツ。
ただし、生地を切って重ねると、せっかくつながったグルテンが切れてかたい食感になってしまいます。切るのではなく、伸ばしてたたんでなじませるようにしてください。

めん棒を使わず成形するには?

紹介したシュトーレンの成形方法は、型を使わないシュトーレンのオーソドックスな形。
ですが、めん棒を持っていなかったり成形できるか不安だったりするときは、別の方法でも成形できます。
めん棒を使わない場合は、生地をコッペパンのようにまとめ、真ん中に包丁で浅く切り込みを入れます。
どちらの方法でも、焼き上がりに大きな違いはないので、安心してくださいね。

シュトーレンをおいしく食べるためのQ&A

ここでは、シュトーレンの食べ方やカットの仕方など、おいしく食べるための方法をご紹介します。

Q1.シュトーレンの食べ方は?

A.2〜4日熟成させてから食べる。

シュトーレンは焼いた日よりも2〜4日置いて熟成させてからのほうが、味がなじんで美味しくなります。
食べるときは、厚さ1センチくらいにスライスしていただくのがおすすめ。冷えた状態では甘味を感じにくいので、電子レンジで10秒ほど温めてもよいでしょう。

Q2.シュトーレンをきれいにカットするコツは?

A.包丁を小刻みに動かしながらカットする

ドライフルーツやナッツがたっぷり入ったシュトーレンは、切るときにポロポロと崩れてしまいがち。波刃包丁やパン切り包丁を使い、小刻みに動かしながらカットすると、比較的崩れずに切り分けられます。普通の包丁しか持っていない場合も、小刻みに動かしてカットしてみてください。

Q3.シュトーレンの日持ちはどのくらい?

A.正しく保存した場合の日持ちは2〜3週間。

シュトーレンは基本的に室内の冷暗所、室温が10〜15度の場所で保存します。
ただし冬場は暖房などで室内の温度が高くなっていることも考えられるので、保存は冷蔵庫の野菜室でおこないましょう。
冷蔵庫に入れる場合は、におい移りに注意してください。

このように、ラップで二重に包んだあと、ジップ付きの袋に入れるなどして保存すると安心です。
仕上げにバターや砂糖を使い、正しく保存した場合は、手作りでも2〜3週間日持ちします。
冷蔵庫に入れる場合、普通の冷蔵室やチルド室では冷えすぎるのでNG。小麦粉に含まれるでんぷんが劣化して味や食感が落ちてしまいます。

Q4.シュトーレンを長持ちさせるには?

A.仕上げにバターと砂糖を使い、切るときは真ん中からスライスする。

シュトーレンの仕上げに使うバターと砂糖には、味だけでなく保存性を高める役割があります。
バターをたっぷり染み込ませることで、外気からシュトーレンをガード。溶かしバターの上澄みである澄ましバターを使うと、タンパク質や水分が除去されているのでさらに保存性が高まります。
また仕上げにグラニュー糖と粉糖をまぶすことで、バターの酸化を防ぎ、細菌が繁殖しないようにしてくれます。
生地に混ぜ込んだ洋酒漬けフルーツも、内側から雑菌の繁殖を防ぐ効果があります。
シュトーレンを切るときは真ん中からスライスしていき、切り口を合わせるようにして保存するのがコツ。乾燥と雑菌の繁殖を防ぐことができ、より長持ちします。

Q5.期限内に食べ切れない場合はどうする?

A.スライスして冷凍するのがおすすめ。

保存期限内に食べきれない場合は、厚さ1センチ程度にスライスして1切れずつラップに包み、ジップ付きの保存袋に入れて冷凍しましょう。
室温で30分ほど解凍すると、おいしく食べられます。
もしくは、冷凍のままオーブントースターで軽く焼くと、解凍しつつ表面がカリッと香ばしくなりますよ。
冷蔵庫で解凍すると小麦粉のでんぷんが劣化してしまうので、常温で解凍するように注意してください。

Q6.より本格的な味わいにするには?

A.「マジパン」を使うとリッチな味わいに。

マジパンとは、アーモンドと砂糖を練り合わせた製菓材料のこと。
用途ごとに2つの種類があります。

  • マジパン……主にマジパン細工に使われる。砂糖の比率が高い。
  • ローマジパン……主に焼き菓子に練り込んで使う。砂糖の比率が低め。

スーパーではなかなか手に入りませんが、製菓材料専門店では取り扱っていることが多く、通販でも購入できます。
シュトーレンでは生地に混ぜ込むほか、棒状に伸ばしたローマジパンを中心に巻き込んで仕上げるレシピも。より本格的でリッチな味わいのシュトーレンにチャレンジしたいときは、ぜひ試してみてください。

Q7.シュトーレンをアレンジしたい。おすすめの食べ方は?

A.ちょい足しがおすすめ。

そのまま食べるだけでも、日ごとに味わいが変わっていくシュトーレン。
でもおいしさのあまり、日が経つ前に食べたくなってしまうこともありますよね。
そんなときは、ちょい足しアレンジでシュトーレンの違った味わいを楽しむのもおすすめです。

  • スライスしたあと、軽くトーストして
  • わらかくしたクリームチーズをトッピングして
  • ほんのり温めて無糖のホイップクリームを添えて

このほかにも、有塩バターやレモン果汁でマリネした生ハムを合わせて、あまじょっぱい味にすると、前菜やおつまみにもなりますよ。

手作りシュトーレンでクリスマスを迎えよう!

ドイツの伝統的なパン菓子「シュトーレン」。
イーストを使いますが、必死にこねる必要はないため、パン作りをしたことがない方でも比較的作りやすいお菓子です。

材料や保存方法をきちんと守れば2〜3週間は日持ちするので、たくさん作ってプレゼントするのもいいですね。

紹介した作り方や失敗しないコツを参考に、ぜひ「手作りシュトーレン」にチャレンジしてみてください。

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